葬儀の事情はここ数年で大きな変化を見せています。昔は自宅で執り行うことが通常でしたが、最近はほとんどの遺族が斎場で葬儀を執り行うようになっています。現代の住宅は葬儀に向いていないものが多く、特に集合住宅などには適していないといえます。部屋数も少なく、また、狭いため、参列者を呼ぶことができないということも珍しくありません。また、壁も薄いため、隣の部屋で葬儀が行われているというのはあまり心地の良いものではないようです。
もちろん現代では、多くの人が病院で旅立ちのときを迎えます。そのため、集合住宅など廊下が狭かったり、エレベーターで自宅に帰らなくてはいけないような場合には、遺体を連れて帰るのが難しくなってしまいます。近隣の人々にも大人数の参列者が出入りしたり、棺の運搬があったりした際には迷惑をかけると言わざるを得ません。そこで、葬祭場でも葬儀が一般的になってきました。ただ、病院などで最後を迎えた場合には、遺族が自宅に連れて帰りたいと感じることが多いそうです。
特に故人が帰宅を望んでいた際には、より、そう感じるといわれています。そこで、自宅にいるときのように、ゆっくり付き添える付き添い安置が可能な葬祭場の人気が高くなっています。安置施設がある斎場は今までもありましたが、付き添うことができないタイプのほうが多くありました。故人との最後に時間になるため、できるだけ長く一緒にいたいと考える遺族にとっては朗報となっています。